にいだほんけ
しぜんしゅ 純米原酒
自然米を育て、里山を守る。目指すは自給自足の蔵
創業300年を迎えた2011年より、「日本の田んぼを守る酒蔵」になるべく、すべての酒を無農薬・無化学肥料の自然米で仕込んでいる仁井田本家。さらに現在では、生酛百%に切り替え、自然米と天然水だけだから醸し出せるありのままの豊かな風味を大切にしている。
仁井田本家の決断の源には、「酒は健康によい飲みものでなければならない」という考えがある。仕込み水を守るために山の環境を守り、酒をおいしくするために自然米を育てる。循環型農業を実践し、さらに稲わらやもみ殼、米ぬかなどに酒粕を混ぜた堆肥も研究中という。
こうして育つ自然米は、手間がかかるし収穫量も少ない。けれど、ピュアで味が濃い。鑑評会に出品される大吟醸の精米歩合は35%や40%が一般的だが、福島県鑑評会で最高賞の県知事賞を受賞したことがある「おだやか純米大吟醸」は五十%精米。「試作してみたところ酒造りに不要な部分が自然米は少ないようなんです」と十八代蔵元であり杜氏の仁井田穏彦さん。自然米の酒は、おいしいと安心が詰まっているだけでなく、エコロジーにもつながっているのだ。
「しぜんしゅを造ることで、ここ田村町を取り残された田舎ではなく、日本一元気な田んぼがある“真の田舎”にしたい」と語る仁井田さんは、最後に一言。「皆さんがうちのお酒を飲んでくださると、自然米の田んぼが一枚増えます」と笑った。これは飲まずにはいられない。
有限会社 仁井田本家